HQもいいけど四谷先輩名作だから読んで
ホラーなんて見て喜んでるやつの気が知れねぇよ!!!
ホラー系の小説でも漫画でも映画でも、見ちゃうとほんっと夜寝れないし、鏡見れないし、シャワー浴びてるとき背後がやたら気になるし、バックミラー見たら後部座席になんかいるんじゃないかって気が気じゃないよ!!!
っていうくらい私、ホラー苦手なんですけどね。でも見ちゃうんだよねー。後悔するってわかってんのに見ちゃう。というのも、面白い作品が多いんですよ、ホラーって。まぁ中にはただビビらすだけのやつもありますけど?
んで、四谷先輩も私の中のベストオブホラーなので、改めておススメしとく。HQは知ってるけどこっち読んだことないって人はぜひ。デビュー作とは思えないクオリティ。絵がね、けっこう迫力あるからね、読んだ日の夜はお布団の中でちょっと後悔するかもだけど、読んで後悔するような作品じゃないです。ぜひ。(2回目)
- 作者: 古舘春一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/06/04
- メディア: コミック
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あらすじ
幻の生徒と噂される四谷先輩。怪談話と引き換えに怪事件を解決してくれるらしい。
親友のヒナノが行方不明になってしまった主人公の中島誠は、ヒナノの手がかりを求めて四谷先輩の元を訪れる。
幻と噂されていた四谷先輩は、「最強の怪談を作り出す」と豪語する謎の人物。
誠は、四谷先輩の怪談作りを手伝う羽目に。果たして、四谷先輩の作り出す怪談と、事件の真相は繋がっているのか・・・?
「すべての悲鳴は俺のもの!!!!」
この作品の醍醐味は、四谷先輩の「語り」。
恐怖心を掻き立てる演出と、心を支配されるような四谷先輩の声・・・。
聞き手は、その恐怖心から、実際に霊がいるかのように錯覚するという構造を取ってまして、「幽霊」なるものが実際に出てくるわけじゃないんだよね。そこが他のホラーと違うところで面白い。
ほとんどのホラー作品が「幽霊(とか妖怪とか人ならざる者)」VS「人間」という構図を取る一方、この作品は「恐怖心」VS「人間」とでもいいましょうか。
しかも「語り」っていう声ありきなところを、あえて漫画で表現してくる斬新さ。
トリッキーなコマ使いや効果音の入れ方が効果的で、実際には、四谷先輩の声は聞こえるはずないのに、目の前で「語られて」いるような、そして心を支配され、聞き入ってしまっているような、錯覚に陥る。
四谷先輩の語りによって、聞き手が霊を見てしまうように、古舘春一先生の表現の巧みさによって、私たち読者も、聞き手と同じ錯覚を体験してしまう。
それほど読者を引き込む表現力を下支えしているのが、卓越した画力。
冒頭にもいいましたけどね、デビュー作ですよ。信じられない。
余談ですけど、語りを漫画で表現って言って思い出されるのは落語心中なんだよね。
落語心中はアニメも大好きで、豪華声優陣の本気が見れます。漫画で表現された「語り」に見合う実力派の演技は、見ててほんとにしびれる。
四谷先輩もさ・・・アニメ化・・・しないだろうけど・・・絶対しないだろうけどさ!!!アニメで見たいよぉぉおぉ!ノイタミナ枠でさ・・・なんならネット配信だけとかでもいい・・・制作会社さんお願いします!
さて、この四谷先輩の怪談、単行本3巻で完結してるんだけども、ストーリー綺麗にまとまってて、そこも良き。
打ち切りって言われてるけど、打ち切りの割には無理やり終わらせた感はあまり感じられず、むしろあれで綺麗にまとまってるから、私は良いと思ってるんですよね。続きが読みたいかと言われれば、もちろんYESだけど、長く続ければいいってもんでもないし、あのラストは良い着地だと思ってます。
3巻だから紙で持っててもかさばらないし、むしろ紙で持ってて何度も読み返したい。
つってAmazonの情報貼るというね(笑)
いまや人気連載中のHQも、この四谷先輩が原点なんでね、立ち読みでもさらっと読めちゃうから(良い子はちゃんと購入しましょう)一度は読んでみてほしい。